前回は投球フォームの各フェーズについてご紹介させていただきました。(https://js-sportsbody.jp/10065/)そこで、今回は ワインドアップ期 での起こりやすい不良姿勢とその改善策についてご紹介していきます。
ワインドアップ期 に起こりやすい不良姿勢
【ワインドアップ期(図1)】
この層で障害を訴える選手はほとんどいないため、軽視されやすい部分ではあるが、次のコッキング期での並進運動をスムーズに行なう為のエネルギーの伝達という部分では非常に重要なフェーズとなります。
図1 ワインドアップ期
投球動作の開始から非投球側の手がボールを離れるまでの期間
ステップ脚を挙上した時に,骨盤が後傾し背中が丸まったり、体幹が後ろに反ったりしてしまうと軸脚での体重支持が十分に行えない可能性が大きくあります(図2)。ただ、ここで大切なのはこのフェーズでの姿勢が問題というよりは、次のフェーズにどのように影響を与えているのかが大切になります。
図2 ワインドアップ期の姿勢
良好な姿勢は軸足上で一直線に立てることだが、体幹を後ろに倒したり、踏み出し足を上げる際に、骨盤が後傾し背中が丸まったり、軸足膝が曲がってしまう。
ワインドアップ期に骨盤が後傾したり背中が丸まってしまう要因の多くは腸腰筋(図3)という股関節前面の筋肉が硬くなっていることや左右の骨盤が非対称に動けないことが要因となっていることが多くあります(図4)。また体幹の筋力、特に腹圧を高めるインナーマッスルの機能低下により円背(猫背)になっていることが要因となります。
図3 腸腰筋の走行
腸腰筋は大腰筋と腸骨筋から構成され、大腰筋は身体の中で唯一脊柱と下肢を結ぶ筋肉である。腸腰筋が硬くなると大腿を後方へ引く動きが制限される。
図4 骨盤の非対称な動き
左右の骨盤が前後同じ方向に動く体幹は骨盤追従するように動くが、左右の骨盤が非対称に動くことで体幹をまっすぐ保つことができる。
また、骨盤をまっすぐ保とうとする際にインナーマッスルが働き腹圧が高まります。
ワインドアップ期 の不良姿勢に対する機能改善
不良姿勢の改善として、上記にも挙げたように腸腰筋の柔軟性の獲得や腹圧を高めるインナーマッスルの機能改善をご紹介します。
一つ目は片膝立ちで行う腸腰筋のストレッチです(図5)
伸ばしたい方の膝を着き片膝立ちを行います。その姿勢で重心を前足に平行移動します。この時の注意点として重心を前に移動した際に腰を反らないように注意していください。ポイントとしては腰を反らないように背中を少し丸めて腹筋に力を入れる事で骨盤を固定して重心を前に移動します。
図5 片膝立ちでの腸腰筋ストレッチ
背中が反ってしまうと腸腰筋の伸長感が得られにくいため、お腹を丸めて腹筋に力を入れることがポイントです。
二つ目は骨盤の非対称な動きを作る運動です(図6)。
仙骨部分にタオル等を丸めた物を入れて仰向けになります。片方の膝をお腹まで深く曲げ両手で固定します。その姿勢でもう一方の脚を最大限伸ばします。この際、腰を反らないように仙骨に入れたタオルを骨盤で押し付けるように意識すると腰が反らなくなります。
図6 仰向けでの骨盤非対称な動きを作る運動
この運動で股関節を曲げた方の骨盤は後傾、伸ばした方の骨盤を前傾方向に動かす事で骨盤の非対称な運動を作ります。また、この運動中に体幹をまっすぐ保とうとする事で腹圧が高まります。
三つ目は立位で骨盤の非対称な動きを作る運動です(図7)
立位になり片方の膝をお腹まで深く曲げ両手で抱えます。もう一方の脚を真っ直ぐ伸ばします。この際、脚を伸ばすタイミングで胸を張るように動く事でインナーマッスルが働き腹圧を高めることができます。
図7 立位での骨盤非対称な動きを作る運動
上記の運動と同様に股関節を曲げた方の骨盤は後傾、伸ばした方の骨盤を前傾方向に動かす事で骨盤の非対称な運動を作ります。伸ばした側の膝が曲がったり背中が丸まらないように注意しましょう。
今回、ワインドアップ期での姿勢についてお話しさせて頂きましたが、例えば、プロ野球の投手でもワインドアップ期に足を大きく上げることで、一時的に骨盤が後傾する投手がいますが、次のコッキング期には骨盤の後傾が解消され軸足股関節にしっかりと体重が載っているケースもあります。その為、このフェーズでの姿勢はあくまでも次の動作にどのように影響を与えているのかをしっかり見極めていく必要があります。
J’s SPORTS BODYでは出来ない理由を身体の構造から分析し、身体を変えることで動きを変える事を目的としています。
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次回はアーリーコッキング期についてのお話をさせて頂きます。
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